イタリア人直伝のレシピ通りに作ったトマトソース。
でも何か物足りない。コクが足りない感じ…。なんでやねん!
さて次の方法のうち、一番美味しくなったのはどれでしょう?
- 塩をすこし多めに入れる
- トマトをもっと入れて煮る
- タイムやローリエなどのハーブを加える
- 何も加えず、もう30分煮る
- レシピをくれた友人のイタリア人に文句を言う
- トマトを変えて、もう一度イチから作る
少しの間、考えてみてくださいね。
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はい^^
わかりましたか??
もしあなたが、4を選ばれていたら、素晴らしい!正解ですね!
料理の経験値が高く、勘どころがわかっている方なのかもしれません。
不正解だった方も、気にすることはありません。なぜなら、正解者の中でも4が一番美味しくなる理由をきちんと説明できる人は意外に少ないからです。この先を読んで、多くの方が知らない、料理を美味しく作る秘密を手に入れて下さいね^^
では、他の答えはなぜ違うのか、1つずつ見て行きましょう~♪
①塩じゃないの?
確かに、塩が不足すると、旨味が感じにくくなり、物足りなさを感じます。ですので、絶対に間違いとは言えません。塩で解決するケースもあると思います。
ただ、その場合の多くは、「なにか物足りない」というよりは、「もっと塩気が欲しい」と見当が付きやすいはずです。恐らく塩分濃度の問題ではない可能性が高いです。
②トマトもっと入れたいんですけど?
この答えは、実におしいですね!
先に言ってしまうと、この問題の原因は旨味不足によるものです。ですので、旨味成分であるトマトを料理に足せば、一見解決するように見えます。
しかし実際にやってみるとどうでしょう?おそらくいくらトマトを入れても一向にコクは出てこないはずです。
トマトは旨味が多いのですが、同時に水分も多い食材です。ですので、トマトの旨味を活かすためには、ある処理(←これが正解)が欠かせないのです。
③ハーブはあかんの?
これはありがちなミステイクです。この問題の原因は、旨味不足にあります。なのに、旨味が少なく香りの強い食材であるハーブで、香りをいくらいじっても、根本的な問題解決にはならないでしょう。
⑤このレシピをくれたイタリア人が悪いと思う
って、コラコラw
せっかく教えてくれたのに、文句を言っても始まりません。むしろ、作る人がちゃんと料理を知っていれば、このレシピも充分に美味しく出来ますよ^^
⑥トマトを変えて、もう一度イチから作る!
その意気込みは素晴らしいです!
ですが今回は、トマトの質が問題ではないのです。上手くいかなかった原因を特定せずにまた作っても意味はあまりありませんね。。大事なことは、トマトの性質と旨味の作り方をよく知ることです。
正解の④「何もせずもう30分煮る」
これが正解でした^^
意外でしたか??
ちなみにこのクイズは、実際に料理が美味しく作れなかった方からの、お悩み相談の内容を元に作りました。このトマトソースを始め、煮込み系料理の相談は非常に多いのです。その悩みとは、ほとんどの場合、なにか物足りない。コクが出ない。
その「コク」や「なにか」とは、旨味のことである場合がほとんどなのです。旨味が足りないから物足りなく感じてしまう。旨味が足りないので、コクを感じないのです。
でも、レシピ通りに材料を入れているのであれば、レシピが大幅に間違っていない限り、旨味を補う材料が不足しているというケースはほぼありません。そうではなくて実は、ソースが「水」で薄まってしまっているだけなんです。
今回のケースでのその「水」とは、煮込む時に入れる水でなく、トマトから出る水分のことです。実はソースには旨味成分はすでにたっぷり入っているのに、トマトから出た水が多すぎて、薄く感じるんですね。
ですので、この水分をもう少し煮込んで飛ばしてあげるだけで、飛躍的にトマトソースにコクを感じられるようになり、美味しくなるんです。この煮詰めるという作業は、旨味づくりの際に行われる常套手段です。水分の多い料理は煮詰めて旨味を作り出してくださいね!
トマトソースがなにか物足りないという方は、煮込み時間をいつもの1.5倍~2倍にして、水分を飛ばしてみて下さい。いつもと同じレシピが、見違えるほど変わるはずです。イタリア人が悪いわけじゃないんですよ〜ww
料理技術を学ぼう!
もし料理が上手になりたいのなら、美味しいレシピを探すのは今日で終わりにしましょう!
むしろ、イマイチなレシピでも、技術があれば、料理の法則を知っていれば、レシピの方を軽く修正して、美味しく仕上げてしまうことだって出来ます。わざわざ一度作って味を見なくとも、レシピを見るだけで美味しいかどうか見抜くことだって出来るようになります。
美味しいレシピを集めることには、キリがありません。しかし、料理技術や理論には終りがあります。これだけ押さえておけば、大概の料理は美味しく作れてしまうという基礎があります。一度知ってしまえば、一生使える財産になります。
このブログをじっくり読んでいくだけでも、色々な技術や法則があることがわかると思います。ブログだけでは伝えきれない、より実践的な所はレッスンで直接お伝えしています。
料理に壁を感じている方にとっては、これがブレイクスルーになるかもしれません。レッスンの詳細は、下のボタンから進んでご覧ください^^